翻訳(者)のでしゃばり方について
終日
2022/2/17
オンライン開催のJTFセミナー。
概要
「ウンコな議論」の原著はきわめて薄い。高尚な題名と主題に加え、まさにその薄さのおかげで、原著はベストセラーになったとさえ言える。そのあまりの薄さのため、そのままでは訳書が本はおろかパンフレットにすらならないために、訳者解説である意味で「水増し」してページを増やし、なんとか本に仕立てたはいいものの、一方で「訳者がでしゃばって本文よりもたくさん書いている」という、いわれなき非難にも遭うこととなった。
実際には訳者解説は本文よりは100字ほど少ない。一応、分量面では本の中での主従はわきまえたつもりではある。だがこれ以外にも、この翻訳者は訳文、さらには訳書の選択においても、自己主張が強いという評価が高い。これまた、当人としてはいわれなき非難だと考えているものだが、なぜそのような評価が出るのか、「でしゃばらない」翻訳がありえるのか、自分なりの考えを通じ、翻訳(者)のあり方について考察してみたい。
講演者
山形 浩生(翻訳家)
申込期限
2022年 2月9日 (水) 18時まで