日本翻訳連盟(JTF)

JTF新規法人会員紹介:株式会社東輪堂

「伝わる言葉」を追求して45年

今回から、日本翻訳連盟(JTF)に近年ご入会された法人会員を1社ずつ紹介します。
事業内容、特長、業界団体への入会動機、今後の展望などについてJTFから新規法人会員に質問し、いただきました回答からお届けします。
第1回は、1978年創業の株式会社東輪堂です。

●自己紹介をお願いします。

弊社は創業以来45年以上にわたり「伝わる言葉」を追求し、企業のグローバル展開を言語面から支えるパートナーとして歩んできました。翻訳のみならず、テクニカルライティング・DTP編集・CAD図面対応・その他ドキュメント制作全般まで、言語に関わるサービスをトータルで提供しています。専門分野は、医療機器、工業、観光・インバウンド、建築、IRなど幅広く、品質重視の姿勢を貫きながら、国内外のクライアントに信頼される体制を整えています。

●業界団体への入会の動機を教えてください。

翻訳業界は、技術革新や市場構造の変化により急速に進化しています。近年では、機械翻訳や生成AIの台頭により、翻訳者や企業の役割も見直されつつあります。こうした変化に対応するためには、業界内の情報共有や連携、制度整備が重要と考え、JTFへの入会を決意しました。

また、教育・啓発活動への参加や業界の標準化に寄与することで、翻訳という仕事の社会的認知度を高めたいという想いも背景にあります。業界団体を通じて、よりよい業界環境の構築に貢献していきたいと考えています。

●貴社の製品・サービスにおける独自の強みや競争優位性を教えてください。

弊社の最大の強みは、多言語翻訳における豊富な実績と運用ノウハウです。70言語以上に対応可能な体制を構築しています。英語はもちろんのこと、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語といった主要言語から、中東、アフリカ、中央アジア等の希少言語まで、言語ごとに信頼できる翻訳のネットワークを保持し、分野別・言語別に最適な人材を柔軟にアサインすることで、高品質かつ一貫性のある多言語展開を支えています。

さらに、多言語DTPやWebローカライズまで一括して対応できる「ワンストップサービス」を提供している点も、強みの一つです。翻訳だけでなく、レイアウト調整やWeb制作、用語管理・TM活用などを一貫して行うことで、お客様の手間を軽減し、納期短縮や品質向上にもつなげています。

こうした体制は、医療機器、製造業、観光、公共セクターなど、幅広い業界でのプロジェクトで磨かれてきました。グローバル展開を目指す企業や団体に対して、言語面での確かなサポートを提供できるのが、弊社の強みだと考えています。

●貴社が採用している最新技術やイノベーションの例があれば教えてください。

社内の翻訳支援環境には、CATツール(Trados、Memsource ほか)を標準導入し、TM・用語集・スタイルガイドの運用を徹底しています。さらに近年では、ChatGPT APIやDeepL APIなども活用し、ポストエディットの工程における検証を重ねています。

ただし、機械翻訳の活用においては、「人の判断と価値を補う」ことを前提とし、納品物としての品質に一切妥協しない方針を貫いています。

●業界団体を通じて得たい情報、ネットワーク、またはサポートは何ですか?

最新の法制度や技術動向への対応は、単独企業では限界があります。JTFを通じて、制度解釈や標準化に関する知見を共有し合える場を持つこと、また同業他社・翻訳者とのネットワークを構築できることを期待しています。

とりわけ、「翻訳会社×フリーランス翻訳者」の協働モデルをより持続可能にしていくための議論・事例共有の場があると心強く感じます。

●業界関係者やJTFジャーナルの読者に向けて、貴社のビジョンやメッセージを自由にお聞かせください。

「翻訳は、人と人とをつなぐ対話の一形態である」。私たちはそう信じています。日々の業務は地道で細やかな作業の連続ですが、その積み重ねが世界を近づけ、ビジネスや文化を支える基盤になります。

翻訳業界には多様な働き方・役割・専門性がありますが、共通しているのは「ことばへの責任」です。JTFジャーナルを通じて、業界の皆様とつながり、課題を共有しながら次の一歩をともに描ければ幸いです。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

法人概要
法人名:株式会社東輪堂
創業年:1978年
所在地:東京都港区芝5-31-17 PMO田町6F
主な事業内容:多言語翻訳、ドキュメント制作
URL:https://torindo.ne.jp/
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