日本翻訳連盟(JTF)

私の一冊『死ぬときに後悔すること25』

第44回:特許商標事務所所員、特許翻訳者 江口 輝さん

『死ぬときに後悔すること25』大津秀一著、致知出版社、2009年(新潮文庫版は2013年発行)

あなたが亡くなるときに後悔すること、わかりますか。

2009年初版の本書は、当時33歳の医師によるものです。数多くの終末期を見届けるなかで気づいた、患者たちに共通する後悔。その後悔が、健康なうちに向き合うべき25のテーマとして紹介されます。

事例や考察とともに紹介される後悔は、「自分の生きた証を残さなかったこと」「感情に振り回された一生を過ごしたこと」「美味しいものを食べておかなかったこと」など、多岐にわたります。

私が気になるのは、「自分のやりたいことをやらなかったこと」。ひとは、自分の人生を自分で選ぼうとしない、と言われることがありますが、いまからでも悔いのないよう、主体的に生きてゆきたいところです。

それから、「健康を大切にしなかったこと」は、なお気がかりです。特に、独立されているかたがた、健康診断は、受診されていますか。私は、本書に促され、人間ドックに申し込むと決めて以後、十数年が経過していることに、このたび気づきました。

◎執筆者プロフィール
江口 輝 (えぐち あきら)
特許商標事務所所員、特許翻訳者
テクニカルライター、翻訳ディレクターののち、特許分野に入門9年目。
日本マニュアルコンテスト奨励賞受賞
工業英検1級取得、文部科学大臣賞受賞

★次回は、特許翻訳者の塚村直記さんに「私の一冊」を紹介していただきます。

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