日本翻訳連盟(JTF)

2025年度第3回JTFセミナー報告

日 時:2025年12月3日 (水)
開 催:Zoomウェビナー
テーマ:~ここから始まる英文開示大航海時代~IR翻訳で活躍するための羅針盤
講演者:小林 大和(コバヤシ ヤマト)宝印刷株式会社 通翻訳部

<登壇者のプロフィール>
ホテルマン、ダイビングインストラクター、居酒屋店員、予備校講師を経て翻訳の世界へ。IR・ディスクロージャー分野のフリーランス翻訳者・チェッカーとして活動した後、宝印刷株式会社で翻訳チェックおよび人材育成業務に従事。現在はサイマル・インターナショナルおよびサイマル・アカデミー開催のディスクロージャー翻訳を解説する講座に登壇する他、ディスクロージャー翻訳特有のテクニックついて社内外に向けたガイダンスを行う。水中での指導経験を活かし、「脳」ではなく「心」に伝導するコミュニケーション力を駆使し日々後進の育成にあたる。

概 要
今年4月にその幕を開けた英文同時開示の義務化。ただし今はまだその序章が終わったに過ぎない。今後その範囲も対象も拡大が予想される中、IR翻訳分野における人材ニーズは今後も高まっていくことが予想される。
本セミナーでは、かつてフリーランスの翻訳者・チェッカーであり、現在は翻訳会社内で翻訳人材育成と採用に携わる私の視点から、IR翻訳の市場動向、翻訳の特徴、求められる人物像、スキルアップのための情報などを、自身の体験も交えながらお話ししたい。
機械翻訳や生成AIが日々その存在感を増し、業界の今後について様々な憶測が飛び交う中、まだまだこの分野では人材不足傾向が続いている。ただその一方で闇雲にIRの大海原に漕ぎ出しても方向性を誤れば幽霊船にもなりかねない。これからIR翻訳の世界を目指す方々、およびIR分野への参入を考えている方々にとっての羅針盤となれば幸甚の至りである。

<講演のポイント>

  • IR翻訳ってこれから仕事あるの?
  • IR翻訳って難しいの?大変?
  • IR翻訳で求められる人材って?
  • 金で買える実力もある
  • ノンネイティブの処世術
  • 仕事を依頼したくなる翻訳者の特長5選
  • 翻訳業界都市伝説の真相

<参加者のアンケートより>

  • 前年度からの増加%など、具体的な数字を用いたお話が特に興味深かったです。また、実力向上のためにされてきた勉強や求められるスキルなどのお話も大変参考になりました。
  • 英語圏での生活経験もネイティブの伴侶もなくともIR翻訳で食べていけることを、小林先生のような方が実証し、エージェンシーのサイドから発信してくださることには、大きな意味があります。
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