日本翻訳連盟(JTF)

私の一冊『Master of the Game』

第41回:翻訳者、弁理士 奥田百子さん

『Master of the Game』Sidney Sheldon著、Harper Collins

映画化、ドラマ化されたシドニー・シェルダンの大ベストセラーです。

19世紀後半の南アフリカのダイヤモンドラッシュから始まり、一大企業を築くファミリー(5世代にわたる)が登場し、舞台もスコットランドからアフリカ、米国に移るスケールの大きなストーリーです。

一攫千金を夢見てスコットランドの片田舎から身ひとつで出てきた青年Jamieが、最後はKruger Brentという巨大企業をつくり、それが娘のKateという有能な女性に引き継がれます。

この話はJamie→娘→息子→双子の姉妹→息子まで登場し、命をつなぐことの大切さ、血は繋がっていても、子供を思い通りには動かすことができないもどかしさ、そして輪廻転生も教えてくれます。

終盤で主人公になる双子の姉妹は、顔は全く同じですが、性格は天使と悪魔くらい正反対である、という対比も面白いです。

そして天使のように善良な双子の妹は幸福をつかみ、性悪な姉には悲惨な末路が待っています。これは輪廻転生を教えてくれます。

英語は平易でほぼ辞書なしで読めるため、TOEIC700点くらいの英語の学習者に最適であると言われ、英語の学習書としても評価されています。

◎執筆者プロフィール

奥田百子(おくだ ももこ)

特許翻訳者、著者、弁理士、奥田国際特許事務所、合同会社空雅書房 代表

専門は特許翻訳。翻訳実績3,000件以上。最近ではChatGPTやDeepLを使った英語の学習法の指導も行う。「英語の極意」(アメーバブログ)

https://ameblo.jp/peachpatent/のアクセス件数は年間8万件超。

著書「特許翻訳は誰でもできる!」(発明推進協会)、「ネイティブに笑われない英文ビジネスEメール」(中央経済社)、「特許翻訳のテクニック」(中央経済社)、「なるほど図解特許法のしくみ」(中央経済社)ほか

「現代日本執筆者大事典(第5期)」(日外アソシエーツ)所載

慶應義塾大学法学部卒業、英検1級、技術英検1級

中小企業診断士試験 出題委員、弁理士試験 元委員

★次回は、特許翻訳者、(株)エイバックズームの代表取締役である坂元彩さんに「私の一冊」を紹介していただきます。

←私の一冊『その名にちなんで』

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