私の一冊『外国出願のための特許翻訳英文作成教本』
第49回:特許翻訳者 松藤利香さん
ネット検索が主流になった今でも、翻訳の際に最も頼りにしている1冊です。
本書は、テクニカルライティングの3C(Correct, Clear, Concise = 正確に、明確に、簡潔に)のエッセンスを満遍なく伝えてくれます。
翻訳実務の頻出表現を例に挙げ、「3C」に沿った英文で明細書の内容を的確に伝えるためのヒントを分かりやすく説明してくれます。また、言語の視点だけでなく、米国での判例や特許審査便覧(MPEP)を考慮した強い特許権を獲得するためには、どんな英語表現が適切なのか、を示してくれます。
英語に関するコラムも大変読みやすく「それが知りたかった!」というテーマについての考察がたくさん。
イディオムの正しい使い方を確認したい時、いつもと違う英語表現を探している時などに威力を発揮するだけでなく、作業の合間の気分転換にパラパラめくることができるのも本書の魅力。
著者の英語への愛情が満ち溢れている本書は、特許翻訳(特に日英)に関わる多くの方にぜひ読んでいただきたい1冊です。
◎執筆者プロフィール
松藤 利香(まつふじ りか)
フリーランス特許翻訳者(日英)
翻訳者として特許事務所で20年間勤務したのち、2021年に独立。得意分野は、電気・電子・情報・通信・機械。明細書翻訳だけでなく中間処理翻訳も好き。
プラットフォーム”note”で翻訳や英語についての発信もしています。https://note.com/bousuku_keyman/m/md2e3084edd54
★次回は、特許翻訳者の二神信也さんに「私の一冊」を紹介していただきます。