日本翻訳連盟(JTF)

週間ニュースまとめ(2021-04-19)

編集長が注目した先週の業界ニュースをまとめて取り上げます。

業界ニュース

ロゼッタが2021年2月期の決算を発表

機械翻訳システム開発や翻訳通訳サービスなどを手掛けるロゼッタ(東証マザーズ)が2021年2月期の決算を発表した。連結で売上高が40.8億円(前期比4.2%増)、経常利益が3.7億円(同17.3%減)だった。

セグメント別に見ると、MT事業は売上が28.3億円(同32.5%増)、HT(人間翻訳)事業が9.1億円(同35.3%減)、クラウドソーシング事業が3.4億円(同7.4%減)となっている。機械翻訳事業の好調さがうかがえる。

今後はAIやVRなどを活用するGU(グローバル・ユビキタス)事業を推進するとしている。

詳細:https://www.rozetta.jp/download/2021041402.pdf (PDF)

他メディア掲載の情報紹介

【TermCoordブログ】Free online access to Meta: Journal des traducteurs / Translators’ Journal

翻訳に関する学術雑誌の「Meta」がオープン・アクセスになったと伝えている。

Metaは1955年から刊行が始まったが、オンラインでは1966年発行分からが掲載されている。編集長がアクセスした際は、直近3号以外が無料で閲覧可能となっていた。雑誌URLはこちら

詳細:https://termcoord.eu/2021/04/free-online-access-to-meta-journal-des-traducteurs-translators-journal/

【Galaブログ】The Challenge of Defining Translation Quality

MTの翻訳品質を評価する際の難しさが書かれている。「人間並み」を謳うMTシステムも100〜200文でしか評価していないといった記載もある。

一般的に翻訳品質評価には、自動評価(BLEUなど)と人手評価(MQM、JTF翻訳品質評価ガイドラインなど)がある。翻訳会社でもMT開発企業でも、人手評価をしようと思ったら時間とコストがかかってしまう。さらにどういった評価基準(ものさし)を採用するかも悩ましい。まず文書種類でものさしは変わる。たとえば特許と広告は同じものさしで測れない。またエラー数による減点評価がよく用いられるが、「エラーが少なければ良い翻訳」とは必ずしも言えない。ときには大胆な意訳が求められるが、大胆な意訳はエラー評価では「誤訳」とされる恐れがある。人手による翻訳品質評価の手法はまだ確立しておらず、どの企業も試行錯誤が現状だろう。

詳細:https://www.gala-global.org/knowledge-center/professional-development/articles/challenge-defining-translation-quality

【IMUGビデオ】Reimagining Software Localization

IMUG(International Multilingual User Group)のオンラインイベントのビデオ(YouTube)。

ソフトウェア・ローカリゼーションは90年代から大きく変わっていない。自動化など現代の手法を用いて再設計したらどうなるかを語っている。スピーカーは、オープンソース・ソフトウェア開発で用いられるTransifexのDimitris Glezos氏。

詳細:https://www.youtube.com/watch?v=GCmSivTF0vc


その他の情報まとめ

ニュースリリース

先週JTFジャーナルに掲載されたニュースリリースです。

求人

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業界イベント

業界イベントをカレンダー形式で掲載しています。1か月先までの予定を紹介します(申し込みが締め切られている可能性もあるのでご注意ください)。

  • 4/27:【JTF40周年特別企画】 機械翻訳とは何か? どこから来て、どこへいくのか?(JTF主催)
  • 5/16:翻訳フォーラム・シンポジウム2021
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