週間ニュースまとめ(2021-06-28)
編集長が注目した先週の業界ニュースをまとめて取り上げます。
業界ニュース
第74回ほんやく検定の問題・解説集が刊行
日本翻訳連盟が主催する「ほんやく検定」の問題・解説集の第74回分が刊行された。問題、訳例、解説が収録されている。本体価格は2,139円(JTF会員は1,018円)で、下記のリンク先から購入が可能。
なお第75回ほんやく検定は7/31実施で、申し込みは7/19まで受け付けている。
- ほんやく検定問題・解説集のページ:https://www.jtf.jp/learn
- ほんやく検定の申し込みページ:https://kentei.jtf.jp/
他メディア掲載の情報紹介
【Lokaliseブログ】The 17 most important translation software features in 2021
翻訳業務ツールの一般的な主要機能がCAT、ワークフロー自動化、プロジェクト管理という3つの側面から紹介されている。
とりわけワークフロー自動化に関する機能は近年発達しており、今後目にする機会が増えるかもしれない。そこでいくつかを簡単に説明する。まずライブ編集(記事内8番)は、例えばウェブページの見た目を保ったまま翻訳できる。翻訳者は文脈を把握できるので質の向上が期待できる。スクリーンショット(記事内9番)も翻訳者に文脈を提示するための機能だ。またソフトウェア間の統合機能(記事内10〜11番)もあり、たとえば翻訳した記事をワンクリックでブログ記事として公開できる。またAPI(記事内12番)を使うと、外部からソフトウェアの機能を利用できる。Webhook(記事内13番)もAPIと似ているが、何かのイベント発生(例:作業ステータス変更)を受けて外部に通知を送る機能だ。通知を受けて別の処理を走らせることができる。
ワークフロー自動化を進めると、たとえば各種ファイルをメールに添付して作業依頼し、納品物もメールで受け取って手作業で保存していたような流れを合理化できる。
詳細:https://lokalise.com/blog/translation-software/
【Slator記事】Reader Polls: Should Translators Learn to Code? Is Creative MT an Oxymoron?
Slatorの読者アンケートの結果がまとめられている。「プログラミングを大学の翻訳の授業で扱うべきか?」という質問には半数近くが絶対必要と答えている。
日本でも2022年度から高校の必履修科目「情報I」でプログラミングが教えられることになっている。取引先を含めてプログラミングに親しんだ社会人が徐々に増えると予想されるため、すでに第一線で働いていても基本的な知識は身に付けておきたいところだ。
【毎日新聞】「ギフトエコノミーで生活を楽しく」高知に移住した翻訳家のススメ
高知県に移住し、自身の専門分野である環境関連の書籍などを手掛けている翻訳者の生活が取り上げられている。
詳細:https://mainichi.jp/articles/20210621/k00/00m/040/066000c
【Newsweek記事】イタリアで日本文学ブーム、人気はエンタメ小説 背景にあの70年代アニメの存在
イタリアで日本文学の翻訳が読まれるようになってきているようだ。刊行点数は、アメリカ、イギリス、フランス、スペインに続くという。特に近年は純文学というよりエンターテインメント文学の翻訳が増えている。
詳細:https://www.newsweekjapan.jp/nippon/season2/2021/06/332961_1.php
【Book Riot記事】20 Must-Read Japanese Books by Women in Translation
日本の女性作家の英語翻訳書が20冊取り上げられている。川上弘美や小川洋子のほか、半世紀ほど前(河野多惠子など)から最近(小山田浩子など)の作品までが簡単な解説とともに紹介されている。
詳細:https://bookriot.com/japanese-books-by-women-in-translation/
【Gamerant記事】10 Things You Never Knew About Pokemon Localization
ポケモンが海外にローカライズされた際に変更された点が取り上げられている。宗教的連想を避ける目的で仏壇が撤去されたり、アメリカであまり馴染みのない「おにぎり」がハンバーガーに描き替えられたりしているという。
詳細:https://gamerant.com/pokemon-localization-facts-trivia/
その他の情報まとめ
業界イベント
業界イベントをカレンダー形式で掲載しています。1か月先までの予定を紹介します(申し込みが締め切られている可能性もあるのでご注意ください)。
- 7/5〜8:Technology for Translators Week
- 7/13:日本における出版翻訳の現状【JTFセミナー】
- 7/19:第75回ほんやく検定申込締切