2022年度第1回JTF翻訳セミナー報告
日 時:2022年5月26日 (木)
開 催:zoomウェビナー
テーマ:これからはリライト力が効く―正しく、明瞭で簡潔な日英技術翻訳のための英文リライトセミナー
講演者:中山 裕木子 株式会社ユー・イングリッシュ 代表取締役
<登壇者のプロフィール>
特許英語と論文英語を専門とする翻訳と教育の会社、株式会社ユー・イングリッシュ 代表取締役。
公益社団法人日本技術英語協会 理事・専任講師。大学・高専などの教育機関、企業での技術英語の指導にもあたる。
著書に「会話もメールも英語3語で伝わります」ダイヤモンド社、「技術系英文ライティング教本」(日本能率協会マネジメントセンター)、「シンプルな英語」講談社新書などがある。
参加者数:281人
概 要:
日英技術翻訳では、第1ドラフトの英文をブラッシュアップする「リライト」の工程が重要です。
翻訳段階では、原文に引きずられ、元の日本語が透けて見えるような英文を書いてしまいがちですが、そのような英文は読みづらい上に、意味をなさないことや、誤解を生んでしまうことさえあります。
本セミナーでは、これまで体系化されず、各翻訳者の力量にゆだねられてきた英文リライトの方法を、日本語と英語の特徴に基づいて説明し、使いやすい形にとりまとめてご提案します。
適切なリライト手法を身に付ければ、誤解されず、自然で読みやすい英文、さらには原文からの逸脱のない英文へと短時間で仕上げられるようになります。自分で訳した英文だけでなく、他の人が訳した英文をチェックしたり、機械翻訳の出力結果を使って翻訳文を作成したりする際にも効くポイントをご紹介します。
翻訳学習者の方々から日英技術翻訳のベテランの方々まで、是非ご参加ください。
<講演のポイント>
- 日本語の特徴と英語の特徴を理解する
- リライトのポイント①動詞を活かす、②主語を適切に選択する、③文と文の結びつきを強める ほか
- 英文リライトの実践(事前課題あり※)
- 人と機械の融合翻訳を探る
<参加者のアンケートより>
- 各テーマごとに、課題文のリライトを行ったので、テーマの理解が進んだ。リライトの際の講師のコメントも大変参考になった。
- (良かった点)リライトをするポリシーが明確に語られている点。なんとなくではなくて、(それだけが正解ではないにせよ)こうだから、というように進められているので、自分でも再現できる。
- 初心者には難しくてついていくのが大変でした。録画を見ながらじっくり復習しようと思います。勉強法は参考になりました。