週間ニュースまとめ(2021-02-22)
編集長が注目した先週の業界ニュースをまとめて取り上げます。
業界ニュース
ポーランド裁判所が「プロ翻訳者」を定義
Slatorによると、ポーランドの裁判所が判決の中で「プロ翻訳者」の定義を示した。これによると、プロ翻訳者は(a)翻訳技術について大学で適切な訓練を受けている、(b)翻訳についての決まりごとに詳しい、(c)翻訳作業に関して実務経験としっかりした知識がある、という3点を満たす人としている。
なお裁判は、2013年に翻訳会社の納品物に対し、クライアントが支払いを拒否したことから起こされた。翻訳担当は学生で、大部分をGoogle Translateで翻訳してポストエディットしていたという。
フリットジャパンが日経コーパスの販売を開始
フリットジャパン株式会社は、日本経済新聞社が提供する「日経コーパス」を販売する。日経コーパスは記事本文に情報を付加したデータで、AI用データとして取り込むことが可能。
詳細:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000028944.html
Microsoft Translatorにドキュメント翻訳機能が追加
マイクロソフト社の機械翻訳サービスであるMicrosoft Translatorにドキュメント翻訳の機能が機能が追加される。現在はプレビュー段階。標準のTranslatorではテキストとHTMLにしか対応していなかったが、ドキュメント翻訳ではDOCXやPDFといった形式でもフォーマットを維持したまま、複数ファイルをまとめて翻訳できる。
詳細:https://www.microsoft.com/en-us/translator/blog/2021/02/17/introducing-document-translation/
ゲーム開発者向けに無料で翻訳をするLocaGamesがクラウドファンディング中
インディーズゲーム開発者向けに無料で翻訳(ローカリゼション)し、海外ユーザーに販売するプラットフォームである「LacaGames」がクラウンドファンディングで資金を集めている。ゲーム開発者は売上の一部を手数料として払う。とりわけ初期段階での翻訳費用はインディーズゲーム開発者にとって負担が重い。売上から徐々に回収する仕組みは、翻訳ビジネスを考える上で興味深い。
詳細:https://loca.games/locagames-aiming-free-localization-services_ja/
他メディア掲載の情報紹介
【弘前経済新聞】弘前大学が津軽弁音声データ提供呼び掛け AI翻訳システム開発で
津軽語(津軽弁)を共通語に自動翻訳するソフトウェアの開発を目指し、弘前大学の研究者が音声データを募集している。コールセンターや医療現場で役立つことが期待されているようだ。
詳細:https://hirosaki.keizai.biz/headline/1637/
【AFPBB News】中国の海賊版サイト「字幕組」運営者ら逮捕 海外映像作品をアップする「違法時代の終わり」
日本のアニメなどに中国語の字幕を付け、違法に公開して収入を得ていたグループが上海市の警察に逮捕された。翻訳スタッフには1作品あたり400元(約6500円)を払って字幕を付けさせていたという。
詳細:https://www.afpbb.com/articles/-/3331973
【MultiLingual】2021 Winter Series Live
MultiLingual誌のイベントWinter Seriesのビデオ(YouTube)。テーマは「The Battle Over Globalization」、「Productivity」、「Leveraging Your Digital Presence」。
詳細:https://www.youtube.com/playlist?list=PLbLEqr5KQOXNnbA_Cui66U0uku-Xi0s3r
【IMUG】Translation, Transcreation, Transadaptation, and the Science Behind Them
IMUG(International Multilingual User Group)のオンラインイベントのビデオ(YouTube)。スピーカーはPinterest社のPętlicka氏。
詳細:https://www.youtube.com/watch?v=NhUzzgnKxZ4
その他の情報まとめ
業界イベント/勉強会
近日開催される業界イベントなどの情報です。